ギリシア語旧新約聖書
Biblia Graeca 5152

ギリシア語の旧・新約聖書の合本です。キリスト教史的な意味での正典と言えます。
型番 【S】978-3-438-05152-3
定価 18,392円(税込)
販売価格 18,392円(税込)
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  • 外国語
  • ギリシア語
  • 聖書
  • 70人訳
  • 120×185
  • クロス装

ギリシア語の旧新約聖書です。キリスト教の歴史の初期においては、聖書はギリシア語聖書に限りましたので、初期キリスト教的な意味においては、正典といえる構成です。

【旧約部分の説明】
表題のSeptuaginta(セプチュアギンタ)はラテン語の基数詞で70を意味し、ローマ数字でLXXと表記されます。本解説でも以下LXXと表記します。

旧約聖書は、原典がヘブライ語及び一部アラム語にて書かれております。紀元前四世紀のアレクサンドロス大王の東征以降のヘレニズム世界において、ギリシア語世界に生きる地中海世界各地のユダヤ人の間ではギリシア語に翻訳したモーセ五書が用いられるようになりました。LXXの翻訳の起源は定かではありませんが、紀元前3世紀前後より徐々に翻訳がなされ、写本が広まっていたものと考えられます。偽書ではありますが、プトレマイオス朝時代に舞台を設定する「アリステアスの手紙」がアレクサンドリアの図書館にモーセ五書のギリシア語訳を収納するために、エルサレムからユダヤ人の優れた翻訳者の派遣を要請し、ヘブライ語聖書からギリシア語聖書への翻訳を行ったという物語の背景にも、LXXにヘブライ語原典に並ぶ権威を持たせようとする人々の支持基盤があったことを考えることができます。当時の国際共通語がギリシア語であることもあって、確かにLXXはヘブライ語聖書を上回る読者を得ました。

アレクサンドリアのフィロンはLXXのテキストを用いて、プラトンなどのギリシア哲学との対話を行いました。また、新約聖書においてはルカやパウロの旧約聖書テキストの引用にも用いられ、キリスト教においてはラテン語のウルガタ聖書に代わるまでの間、旧約聖書の正典テキストでありました。

LXXは旧約聖書の書名について、現代でも影響を残しております。例えば、LXXの聖書の各書のギリシア語名は、創世記が「Genesis」、出エジプト記が「Exodos」、申命記が「Deuteronomion」であり、英語経由で私たちの聖書知識に影響を与えていることがわかります。

本書は、そのようなLXXの批判的校訂版であり、19世紀末より現在も継続しているゲッチンゲン版LXX校訂プロジェクトの活動において誕生したものです。ゲッチンゲン版LXXは現在も刊行中であります。
ラールフス版は、ゲッチンゲン版の創始者ポール・A・デ・ラガルドの弟子であるA・ラールフスによって発行されたことにより、ラールフスの名を冠しております。本書は、ヴァチカン写本、シナイ写本、アレクサンドリア写本というLXXにおける主要3大写本を底本にして校訂されており、LXXの底本として世界的に用いられております。
本書は2006年に刊行されたR・ハンハルトが校訂を行った最新版であり、本版よりラールフス=ハンハルト版と呼ばれます。

【新約部分の説明】
ギリシア語新約聖書ネストレ=アーラント第28版(以下NA28)は、新約聖書ギリシア語の批判的校訂本の最新版です。

新約聖書はギリシア語で書かれたというのは、現在では一般常識の部類に入る知識ですが、私たちがそのテキストを手にするまでの間には大きな苦難の歴史がありました。近代におけるギリシア語新約聖書の“印刷本”はエラスムスによって、1516年に発行された「校訂版 新約聖書」です。印刷による書籍の刊行が可能になることによって、今まで人の手によって転写してきた写本の山から、“本来の新約聖書のテキスト”を求める旅が始まったのです。写本を探す冒険は、特に19世紀におけるティッシェンドルフによるシナイ写本の発見などが有名ですが、そのような発見を重ねた先にどのように聖書を批判的に校訂していくかが課題となりました。1898年にエーバーハルト・ネストレ(Eberhard Nestle)によって発行された本シリーズの初版Novum Testamentum Graeceは、このような本文批評における異文資料の情報提供をコンパクトに行うことができる画期的な手法を生み出し、その後のNAシリーズの基礎を築きました。1927年の13版よりエーバーハルトの息子であるエルヴィン(Erwin)が引き継ぎ、1950年代よりクルト・アーラント(Kurt Aland)が参加することで、本シリーズはネストレ=アーラントのブランド名にて呼ばれるようになりました。

余談ではありますが、クルト・アーラントの夫人であるバーバラ・アーラント(Barbara Aland)も世界的に著名な聖書本文学者であり、NAシリーズの主要編集者の一人です。NAの名前の背後には、ネストレ父子とアーラント夫妻がいることになります。

現在のNAシリーズは、新約聖書ギリシア語本文を探求する大型批評版(ECM:Editio Critica Maior)の成果を反映してテキストのアップデートがなされます。今回のNA28においては、公同書簡のECMが発行されたことを受けて、公同書簡が改訂されております。

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