本聖書は、日本語では「欽定訳」として知られるもっとも有名な英語聖書です。英国では、Authorized Versionとも呼ばれ、それに訳を当てたのが欽定訳という言葉です。また米国では、King James Versionと呼ばれ、スチュアート朝のジェームズ一世の勅令によりなされた翻訳であることが、この名前の由来です。
英語訳の聖書は、欽定訳以前にはティンダルによる翻訳、Great Bible、ジュネーブ聖書、Bishop's Bibleなどがありましたが、教会で用いる優れた訳語の聖書が欲しいという要望を受けて、ジェームズ一世がオックスフォードとケンブリッジの54人の学者を動員して、1604年から開始し、1611年に完成した翻訳です。
訳文としては、純然たる新しい翻訳ではなく、底本に用いられたBishop's Bibleの改訂を通して作られた翻訳であると言えます。
本聖書も含めて、現在流通しているのは、18世紀に綴りがあらためられたもので、1611年のテキストではありません。

本聖書には、米国版と英国版と呼ぶべき違いがあります。前述の聖書そのものの呼び名の違いから始まり、巻頭のジェームズ王への献辞の有る無し、外典の有無など、同じ英語圏においても英国と米国の文化の違いが見られます。

【仕様】
発行元：アメリカ聖書協会(American Bible Society)

内容：
聖書本文、
現代と意味が違う英単語一覧(Words which have changed in meaning)、
聖地地図