否定神学と〈形而上学の克服〉 ーシェリングからハイデガーへー 茂 牧人 著 知泉書館 前著『ハイデガーと神学』では,ハイデガーの思索と省察を初期から後期にかけて,否定神学あるいは隠れたる神の神学を伝統の中に位置づけ,そこから〈形而上学の克服〉を論じた。それに対し読者からは「ハイデガーをキリスト教思想で理解するのは,ヨーロッパの思想家なのだから当たり前である」などとの批判を受けた。しかしハイデガーはルターから強い影響を受けたが,後期の言語論,ヘルダーリン論,シェリング論,真理論,また,深淵/脱根底を通して哲学的な思索を展開した。 それらの批判を受けて,本書ではシェリングの考察からハイデガーのシェリング解釈をへて,ハイデガーの真理論を論じる。中でも特にシェリングの無底(Ungrund)の理解から,ハイデガーの真理論における深淵/脱根底(Abgrund)の働きを導出し,理性では理解できない否定神学的省察により〈形而上学の克服〉を遂行した。 著者はシェリング『人間的自由の本質』を読みなおし,神の中の根底や無底の働き,つまり神の中の自然や外部性・異他性の働きこそが,自由と悪の問題の端緒であり,解決のための鍵であることを見出した。さらにシェリングの無底の働きは,ハイデガーの深淵/脱根底の働きへと継承されていると解釈した。 ハイデガーはルターの〈十字架の神学〉から着想を得て,さらにパスカル,キルケゴールを踏まえつつ,シェリングの無底と自己の深淵/脱根底の省察から,神を最高存在者とする存在・神・論としての形而上学の批判と克服を遂行したのである。 判型・ページ数 A5・290ページ 出版年月日 2024/01/20 ISBN 9784862853981 否定神学と〈形而上学の克服〉 ーシェリングからハイデガーへー 型番 9784862853981 ポイント 247pt 販売価格 4,950円 購入数 shopping_cartカートに入れる mail_outline この商品についてお問い合わせ ツイート error_outline 特定商取引法に基づく表記 (返品など) share この商品を友達に教える undo 買い物を続ける forum レビューを見る(0件) rate_review レビューを投稿