メーカー/出版社: 新教出版社
著訳者: 浅野淳博［著］
発売/発行年月: 2022年3月
判型: A5
ページ数: 360

キリスト教贖罪論とその批判への聖書学的応答

「贖罪」とは何か？
イエスの死と命の救済的価値とは何か？

「キリストは人間に代わって罪を負い、いけにえとして死んだ」という代理贖罪的な表現はどこまで適切か。少数者に犠牲を強いる「犠牲のシステム」をキリスト教神学が内包しているとする哲学者・高橋哲哉氏の議論を批判的に捉えつつ、聖書および関連古代文献を広く検証して、聖書が伝えようとしているキリストの死に至る生き様の真の意味を探り、その意味をいかに語るかを方向づける。

【聖書のツボ】新約学から贖罪論を考える【淺野淳博氏】日本聖書協会アーカイブ動画
『ココが知りたい聖書のツボ』第７回は、新約学者で関西学院大学教授の淺野淳博先生をゲストにお迎えしました。まずは、パウロの足跡をたどってトルコを横断した4月末の出張旅行についてお話しくださいました。
淺野先生は、今年４月『死と命のメタファ　キリスト教贖罪論とその批判への聖書学的応答』というご著書を出版されました。誰かの犠牲の上に成り立つ「安泰」という思想は、キリスト教の贖罪論から来ているのではないか、そのような批判に、先生は聖書学の立場から応答しています。今回のインタビューでは、ご著書を中心にお話しいただいています。

【目次より】
プロローグ移行性と加虐性
第1章苦難の僕と移行性（移行主題か啓発主題か）
第2章マカバイ殉教者の記憶
第3章イエスと神の国
第4章原始教会の伝承
第5章パウロの回心とその神学的特徴
第6章パウロからその後の初期文献へ
第7章 2世紀殉教者の証言
エピローグ畑を耕す
補論塵芥について（Iコリ4.13b）：イエスの死を説明するメタファに関する一考察