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聖書の選び方について

掲載日:2014/11/01

聖書の選び方について

聖書は世界で最も多い信徒を有するキリスト教の教典で、2,550以上の言語に翻訳されています(聖書協会世界連盟の2012年統計)。

日本では、1549年にフランシスコ・ザビエルらが持って来たという言い伝えや、和訳を試みたという事に端を発し、現存する最古の日本語の聖書分冊であるカール・ギュツラフ訳「約翰福音之傳(ヨハネ福音書)」(1837年発行)以降、誰にでも分かりやすい日本語訳への懸命な努力が重ねられました。

1887年に新約・旧約全ての翻訳が完成し出版された聖書は「明治訳(元訳)」と呼ばれました。このうち、1917年に改訂が加えられた新約聖書部分は「大正改訳」と呼ばれるようになり、現在では明治訳の旧約部分を合わせ「文語訳聖書」とするのが一般的です。

文語訳聖書は峻厳かつ美しい日本語で綴られており、近代日本文学にも多々引用されるなど、大きな影響を与えました。しかし第二次世界大戦後、漢文風とも言える独特な文体が若い世代に馴染みにくいものとなり、やがて歯切れ良く読みやすい口語体に翻訳した「口語訳聖書」が完成しました(新約聖書:1954年、旧約聖書:1955年)。

1968年、ローマ・カトリック教会と聖書協会世界連盟との間で、カトリックとプロテスタント諸教会が同じ聖書を用いるための聖書翻訳の「標準原則」がまとめられました。これを受けて組織された共同訳聖書実行委員会の、18年もの歳月をかけた努力の結晶が「聖書 新共同訳」(1987年)でした。

現在は、聖書協会以外で委員会を組織して翻訳された「フランシスコ会訳」、「新改訳」、「岩波訳」などがある他、全巻を一人で翻訳をした「個人訳聖書」や、随所に意味を補いつつ分かりやすく訳した「リビングバイブル」と呼ばれるものも出版されており、用途に応じて選ぶことができるようになっています。

はじめての聖書

現在、日本で最も普及している聖書は「新共同訳聖書」です。キリスト教会とミッションスクールの8割が新共同訳を用いています。はじめて聖書を購入するかたには、新共同訳をお勧めすることが多いようです。

新共同訳聖書には、旧約聖書、新約聖書、旧約聖書続編が全て収められており、カトリック、プロテスタント諸教派で幅広く使用されています。礼拝に参加する機会があれば、そのままお持ちになれます。一冊持っていれば損はありません。

あまりのページ数の多さに圧倒されてしまった、全てを読み通すには不安があると言う場合は、旧約聖書、新約聖書を別々に購入する方法もあります。キリスト誕生以前のユダヤ民族の歴史を背景にした物語や詩編が収められた旧約聖書、キリストの生涯と教えを記した新約聖書のいずれかを興味や関心に沿って選びます。

もし、文学的な観点から深く聖書を味わいたいと考えている場合は、文語訳聖書に勝るものはありません。分かりやすく口語体で翻訳された聖書が普及する今も、格調高い文語訳聖書の読者が絶えることはありません。

使用目的によって選ぶ聖書

同じ翻訳、構成の聖書でも様々なデザインのものがあります。例えば、持ち歩きしやすいように極限まで厚みと重さを軽減させたものや、丈夫で長持ちする革装の聖書など、使用目的やシーンによって最適なものを選ぶことができます。

最近では、電子書籍やスマートフォンアプリでも聖書が読めるようになっており、いつでも手軽に聖書を開きたいと考える人から好評を得ています。

聖書は、結婚式や洗礼の記念品、入学や出産のお祝い品としてもお勧めです。名画と共に聖書を読むことができるアートバイブル、贈り主からのメッセージを書き込むページがついているもの、カラフルな表紙とカバーが一体化したジッパーつき聖書など、バリエーション豊富に取り揃えられています。

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