2002年5月日本聖書協会発行『SOWER(ソア)』No.20より
*文中にご紹介する社名、人名や肩書き、製品やその機能、価格等は当No.発行時のものです。
*なお、写真や図版が加わったソアのバックナンバーPDFは
http://www.bible.or.jp/soc/soc07.html
からダウンロードできます。
今日、飛躍的な発展を続けるIT(Information Technology=情報通信技術)。殊にIT革命の大きな柱であるインターネットの発展は目覚ましく、国や社会の活動だけでなく、人々の生活レベルにまでさまざまな変化をもたらしてきています。
この急速な変化の波により、聖書普及やキリスト教伝道は、かつてない新たなチャレンジを受けています。
−編集部
IT革命と進化するインターネット
IT革命はインターネットという巨大なコンピュータ・ネットワークを駆使し、18世紀の産業革命を上回るほどの勢いで世界各国の政治・経済をはじめ、あらゆる分野に歴史的な大変革をもたらしており、近代文明を築き上げる発想となった人間観、社会観、科学観を覆すとさえいわれています。
こうした状況の下、日本では、より高速なインターネット接続方式として、ADSLや光ファイバーなどのブロードバンド・ネットワークの整備・拡張が進められ、超高速接続を可能にする光ファイバーも来年あたりから本格化するといわれています。
み言葉を伝えるための新たな取り組み
ブロードバンドが一般化すれば、インターネットの世界はさらに広がります。身近な生活環境や個人のライフスタイルはより大きく多様に変化していき、これまでとは異なる新しい考え方や価値観を持つ人々が生まれてくることでしょう。
人間の本質的な部分にまで深く影響を及ぼすこの大きな変動の中で、聖書普及やキリスト教伝道に期待される働きも、より増大するものと思われます。こうした背景を踏まえて、この分野でインターネットを活用したさまざまな取り組みが始まっています。
例えば、キリスト教伝道の領域では、インターネットを介した教育「E-learning(イー・ラーニング)」に着目し、新しい伝道の方法を探る動きも出ています。また、日本聖書協会では、インターネットを介した新しい聖書頒布を始めています。
インターネットを活用した聖書普及
■待望のデータ聖書『JNet-ばいぶる』
ブロードバンド時代に対応した聖書頒布方法としてスタートした『JNet-ばいぶる新共同訳聖書Win版』は、インターネット上から新共同訳全本文をダウンロードできるデータ聖書です。
聖書テキストだけでなく、語句解説、図版資料、四福音書比較、聖書個所検索の機能を搭載。利用方法は、同サイトに接続しソフトをダウンロードしてインストールするだけと簡単です。また継続利用をご希望の場合は、サポートセンターへメールを送るとパスワードを取得でき、それ以降は機能部分のバージョンアップも無料になります。
日本聖書協会では、日本のIT化政策が完了する2011年までに、国内全3000万世帯へ『JNet-ばいぶる』を広めたいと考えており、お求めやすさを考慮して、価格を1000円(消費税別、インターネット決済)と大変廉価に提供しています。
●お求め・お問い合わせは同サイトへ。
http://www.jbible.net
■聖書本文を公開『JBSホームページ』
日本聖書協会のホームページでは、新共同訳と口語訳聖書の全本文を公開。1回20節ごとにどこでも見られるようになっています。
検索も可能で、トップページの検索欄で書名を選び、章と節を入力する方法と、新共同訳と口語訳の選択やキーワードを含めて詳細に検索できる方法とがあり、聖句を表示したページでは、新共同訳と口語訳の切り替えもできます。
また、旧約聖書における新共同訳の底本の章・節とが相違している個所ごとに、新共同訳の範囲とそれに対応する口語訳の範囲を示した旧約聖書の章・節対照表もあります。
インターネット上での聖書本文の公開は日本初のことで、より多くの人々が自由に聖書に触れていただくことを願っています。
●日本聖書協会ホームページ
http://www.bible.or.jp/
■ニーズを考慮したアイテムも
このほかに、それぞれのニーズへの対応を考えた頒布もしています。
『J-聖書翻訳研究』※
新共同訳の原語コンコルダンス・データベース(動詞・名詞13万単語)を搭載したCD-ROM。従来の聖書コンコルダンスと異なり、日本語から原語を検索するのではなく、原語から新共同訳聖書の用語を探し出すことができます。※現在は頒布していません
『ラピュータ』※
み言葉がいつでもどこでも読める世界最小の腕時計型コンピュータ。ソフトをインストールすることで、さまざまな機能を自由に搭載できます。※現在は頒布していません